北海道鹿追町・然別湖周辺でしか産出しない「然別オパール」。
紫外線を当てると、黄色やオレンジ、緑、青などの幻想的な蛍光を放つ世界的にも珍しい国産オパールです。
その輝きの一部は、2023年に新鉱物として認定された有機鉱物「北海道石」によるもの。
産地は文化財として保護されており、立ち入りや採取には厳しい制限があるため、市場に出回る機会はごくわずか。
本日は、この希少な然別オパールの魅力と、本日の新着商品をご紹介します。

北海道然別オパールとは
北海道オパール(然別オパール)は、鹿追町・然別湖周辺でのみ採れる国産オパールです。
この地域は標高が高く、独自の生態系を持つ自然環境と、過去の火山活動による熱水作用が相まって、美しいオパールが形成されました。
- 産地:北海道河東郡鹿追町 然別湖周辺
- 鉱物種:オパール(SiO₂・nH₂O、非晶質)
- 特徴:紫外線下で多彩な蛍光(黄色・橙・緑・青)を示す
- 微量元素:金・銀・アンチモンなどを含むことが化学分析で判明
- 保護指定:「然別火山群のオパール産地」として町指定文化財に登録


北海道石との関係
今回ご紹介する然別オパールは、ブラックライトで蛍光する部分があります。この蛍光の一因となっているのが、北海道石(hokkaidoite)です。
北海道石は、オパール層の中に微小に点在する有機鉱物で、紫外線下で淡黄色〜オレンジ〜グリーンに蛍光します。
- 化学組成:C₂₂H₁₂(ベンゾ[ghi]ペリレン結晶)
- 分類:新種有機鉱物(2023年認定)
- 存在形態:オパール層内に内包
- 特徴:黄色やオレンジの蛍光は北海道石特有の性質
つまり、今回の新着商品は「北海道オパール(然別オパール)」の中に、この北海道石が含まれている可能性が高いのです。

「可能性が高い」というのはあいまいで申し訳ないのですが、これには理由があります。
当店ではこの石を入手したのが2年前で、鑑別書の作成をその時から進めているのですが、現状では「北海道石」を鑑別書に記載することができないとのことでした。
通常、鑑別では成分だけではなく結晶も含めて鉱物を特定するのですが、北海道石は有機加工物であり鉱物ではありません。このため鑑別書への記載が現状ではできないという状況なんですね。
それで、北海道石である可能性が高いというお話になってしまいます。
上の原石において、北海道石ではなく北海道オパールや然別オパールとして流通しているワケです。
原石にブラックライトをあてると美しい蛍光グリーンの部分が現れます。これが北海道石とされる部分なんです。

今回入荷した然別オパール
今回入荷した然別オパールは、通常光では乳白色〜半透明の柔らかな色合いを持ち、紫外線下では北海道石による黄色〜オレンジの輝きが浮かび上がります。光源や角度によって表情を変え、見るたびに新しい発見があるのも魅力です。いずれも産地の特性を存分に堪能できる逸品です。










本日の新着ラインナップ
今回入荷した北海道然別オパールは、原石からルース、ペンダントトップまで多彩なバリエーションをご用意しました。価格やサイズ、販売状況は以下の通りです。

所有することの意味
北海道然別オパールは、単なる装飾品ではなく、日本の自然・地質・鉱物学の一部を手にする特別な存在です。
文化財指定区域でのみ生まれるこの宝石は、科学的価値と美的価値の両方を併せ持ち、再入荷の保証はありません。
今回の入荷は、まさに一期一会の機会です。
ぜひオンラインショップでご覧ください。
本日の新着商品は8月5日の新着先取りライブでご紹介しています。動画ではマクロレンズを使って拡大した様子もご覧いただけますよ。美しい天然石の世界をお楽しみください。
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