こんにちは!2月になりましたね。今月も毎日天然石をご紹介しますので、どうぞよろしくお願いいたします。本日は鑑別に半年かかった珍しい天然石をご紹介しますよ。
本日の新着商品は「シュードモルフチューブインモスクォーツ」
さて、2月最初の今日はシュ、シュ、、シュ「シュードモルフチューブインモスクォーツ」という石です(汗)
いやはや、一回ではなかなか言いにくい名前かも知れません。
当店ではこのような複雑で長い名前の石が稀に登場しますけど、こんなときは名前を文節に区切って、小学校の国語のように分解して考えてみます。
この場合ですと、、
シュードモルフ / チューブ / イン / モス / クォーツ
ですかね。
こうしてみると、シュードモルフはわからないけど、チューブは筒状のことかな?モスのクォーツに筒状のシュードモルフが入っているのかな??
と言う風におぼろげに見えてきますね。
まぁ、そうして謎を紐解いていくのも楽しいですけど、そんな時間もないので、ここはサクッと鑑別書をチェックしてみましょ!
鑑別書のコメント(摘要)にはこう書かれています。
シュードモルフとは「仮晶」の事で、元の鉱物は形態から角閃石の類と推測されます。現在では二次的に変質してチューブ状となり、その内部には粘土鉱物やライモナイトが存在しています。“モス(苔状”は、クォーツ微晶やマイカの集合から成っています。
あら。これも専門的なのでちょっと難しいですかね。
シュードモルフとは?
シュードモルフ(仮晶) は、ある鉱物が、別の鉱物に変わるときに、もとの形をそのまま残す現象のことを呼びます。
たとえば、氷が溶けて水になると形がなくなりますよね。でも、もし氷が溶けずに、違う物質に変わって形がそのまま残ったら、それが「シュードモルフ」というワケです。
シュードモルフができるしくみ
シュードモルフが形成される主なメカニズムには、以下の3種類があります。
1. もとの鉱物が新しい鉱物に入れかわる(置換)
もともとあった鉱物が、ゆっくりと違う鉱物に変わる のですが、形だけはそのまま残る現象です。
例: アズライト → マラカイト
アズライトという青い石が、長い時間をかけて緑色のマラカイトに変わることがあります。でも、形はアズライトのままです。
2. もとの鉱物が新しい鉱物におおわれる(仮晶/コーティング)
もとの鉱物が、新しい鉱物に包まれるようにおおわれることもあります。
例: 石英(クォーツ)が他の鉱物を覆い、元の鉱物が消失する現象
3. ゆっくりと中身が変わる(交代作用)
元の鉱物がゆっくりと化学的に変質し、新しい鉱物へと変化する現象。
例: 木 → 石(珪化木・けいかぼく)
とても古い木の繊維(せんい)が、少しずつ石英(シリカ)成分に入れかわると、「石になった木」になります。でも、もとの木の形はそのままです。
シュードモルフの特徴と魅力
- 鉱物学的に貴重な標本
→ 元の鉱物の形状を保ったまま異なる成分に変化するため、興味深い研究対象となる。 - 独特な外観
→ 例えば、アズライトの結晶形を持つマラカイトなど、通常では見られない形状が楽しめる。 - 装飾品やコレクションとしての価値
→ 天然石や鉱物標本として人気があり、特に美しい擬晶はコレクターの間で珍重される。
まとめ
シュードモルフは、鉱物が別の鉱物に置き換わりながらも、元の形状を維持する現象のことを指します。自然界では、さまざまな化学反応や地質学的プロセスによって生じることがあり、鉱物学的にも大変興味深い存在です。特に、アズライトからマラカイトへの変化や、珪化木などは有名な例 で、コレクションとしても価値が高い鉱物です。
今回の品の場合、もともとは角閃石(かくせんせき)が含まれていたと考えられています。時間が経ち、角閃石がなくなり、空洞のチューブ状になってしまいました。そして今ではその空間に粘土鉱物やライモナイトが入りこんでいるという状態とのことです。
非常に長い時間と環境の変化によって作られてきた石なんですね。
モスクォーツとは?
モスクォーツ(Moss Quartz) とは、水晶(クォーツ) の一種で、内部に苔(モス)のようなインクルージョン(内包物)を持つ天然石です。このインクルージョンは、主に緑泥石(クローライト) や 酸化鉄、マンガン鉱物 などが含まれることが多く、まるで水晶の中に苔や森林の風景が閉じ込められたように見えることから「モスクォーツ」と呼ばれています。
今回の品は、鑑別によると細かなクォーツとマイカが集まって作られているようですね。ちょっと光にかざしてみるとその緻密さがわかります。
鑑別に半年かかりました
実はこちらの品、当店が買い付けたときは「サゲニティックガーデンクォーツ」という名前だったんですね。
サゲニティックは鉱物名を特定しない針状の結晶のことで、ガーデンクォーツにも見えなくもない。
まぁ、この名前は的を得ているとは思いますけど、鑑別書を取って確認したいなと思ったわけです。
鑑別を依頼したのが昨年の8月初めでした。
それからいつまで経っても鑑別が上がらず、もう忘れかけていたんですけれども、先月中頃に届いたんですね。上の鑑別結果が。
およそ半年の時間を掛けて、ようやくサゲニティックガーデンクォーツの正体を突き詰めた!\(^O^)/
という次第です・・・
本日ご紹介するのはブレスレット5本
鑑別ができなければお蔵入りしてしまうところだったんですけど、本日晴れてアナタにご紹介できることとなりました。
本日ご案内するシュードモルフチューブインモスクォーツは、ブレスレットで5本です。
お値段は9.5ミリ玉が7,500円、10ミリ玉で8,300円です!
正体を突きとめるのにかかった時間は半年ですけど、そう考えると価格はかなりお手ごろですねぇ。
番大きい11ミリ玉は今回の鑑別書をお付けして15,800円でご案内しますね。
というところで、鑑別には手こずりましたけれども、流通名(コマーシャルネーム)ではわからなかったことを知ることができるのは嬉しいですね。
鑑別に長い時間を要しましたけれども、そんなのはこの石が育ってきた時間に比べれば一瞬のことです。気の遠くなるような長い年月の中で、本来は起こり得ない現象によって生まれた、大自然の神秘とロマンが詰まった魅力あふれる天然石だったんですね。
名前が何だったかは忘れてしまいましたけど(笑)、オンラインショップでぜひチェックしてみてくださいね!
本日の新着商品は1月28日の新着先取りライブでご紹介しています。動画でもご覧くださいね。
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